福岡の歯科医院 大規模倒産

犠牲になった患者さんはかわいそうですが

この結末は自明の理です

以下は読売新聞、西日本新聞、NETIBNEWSより引用

H25年1月18日、医療法人樹啓会≪シティデンタルクリニック≫(院長・矢野匡、福岡市博多区)が自己破産の準備に入り、事業停止になった。クリニックも閉まった状態にある。

治療通院していた患者は激怒する。

「梅宮辰夫を使ってバンバン宣伝しまくっていたので信用したのが、誤りだった。インプラント7本を治療しているが、莫大な金を前金で払ってしまった。診療日の予約を入れるのに連絡が取れない。『おかしい』と思った矢先に『破産します』と封書が送り付けられてきた。ふざけるな!!」

この患者の場合は、1日に7本も抜歯されたという。別の歯科医師にコメントを求めたところ、普通のインプラント治療の場合には、患者の口内の状況を判断しつつ1本1本丁寧に抜いていくそうだ。また、抜いた歯の空洞に基盤となる骨が安定するまではインプラントの打ちこみはしないことが原則になっている。

治療が終わっていない患者は九州を中心に200人以上おり、前払い金などは2億4000万円を超えるという。

「治療後、歯の調子が悪い」と訴える患者もおり、シティデンタルクリニックは資金回収を優先した、粗雑な治療をしてきた疑いがもたれている。

医療法人樹啓会≪シティデンタルクリニック≫は2000年に設立され、05年に現在地に医院を開設。

一時は北九州市などにも医院を持ち、年間5億円超の収入があった。

一方で設備投資費やテレビCM、雑誌掲載などの広告費が膨らみ、経営が悪化したという。

 

どうですか?

われわれの業界では結構有名な話ですが皆さんはご存知でしたでしょうか?

 

この手の医院は1本1本の歯をしっかりと治療するような時間と手間がかかるような治療は好みません

というかそういう治療をする技術が無いことがほとんどです

そして短期的に高額のお金が動くインプラント治療に一生懸命

インプラントの患者さんが来なくなると、お金を使って宣伝広告を打ちます

そしてまたインプラント

しかし肝心の治療技術が低いので

治療が終わった患者さんの一部から悪評が立ち

借金だけ残って終了というわけです

 

まぁ人のことはこの辺にしといて

 

悪いところを治したいという主訴の患者さん

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初診時は全体的に虫歯で崩壊してました

1本1本丁寧に根管治療を行い

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土台を立てて

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歯を入れました

咬む場所が足りないところはインプラントで補強してます

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インプラントと奥歯の白い歯は自費診療

それ以外は保険診療で行いました

 

こういった誠実な治療をしていれば

贅沢はできなくても、倒産はありえないかな

と個人的には思っています。

東京八重洲 インプラント事故の歯科医に有罪判決

みなさん報道でご存知の通り

平成19年に起きた東京都八重洲の歯科医院での事故です

有罪判決 まあ当然ですね

 

この事件について患者さんから似たような質問を受けることが多いので

少し説明しておきます

 

事故がおきたのは下顎の手術時

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本来は上のCTのようになるはずだったんでしょうが・・・

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違う方向にドリリングし骨を突き破り、舌下の血管を損傷

内部で出血し気道を圧迫

最終的には窒息による低酸素脳症で手術翌日に死亡したと報告されています

※上のCT画像は参考で事故症例の物ではありません

 

事前にCT検査をしていないからだとかいろいろ言われていますが・・・

たぶん原因はそれ以前に

歯科医の人間性だと思います

 

自分の手技がまずかったことを反省せず

なにかトラブルが出たら患者さんのせいにする

そういったことを繰り返してきたから

とうとう死亡事故を起こしてしまった

極めつけは有罪判決が出たら即日控訴

この期に及んで学ぶ姿勢が無い人は

歯科医師免許剥奪で良いと思いますが

どうでしょうか

 

そんな話をしながら

インプラントメンテナンスの患者さん

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右下の奥歯4本を3本のインプラントで支えています

「八重洲でやらなくてよかったー」

とは言ってませんが

 

このように当たり前のことを安全に仕上げることが

大事なことなんですね

Flexible Approach

奥歯が無い患者さんです。

どうしても前歯で咬むので、

上の前歯が突き上げられて前方に開いてきています。

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このようなケースは矯正+補綴+インプラントを用いた

全顎咬合再構成(Full Mouth Reconstruction)が理想的ですが

すべての患者さんがその治療期間と料金を受け入れられるわけではありません。

臨床家としては、そのような場合でも柔軟に対応することが必要です。

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奥に1本インプラントを入れて少しでもバーティカルストップを増やし

手前の歯は開きをおさえるためにボンドで固定しました。

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横から見るとこんな感じで

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奥歯で咬めるようになりました。

 

柔軟な対応とは

妥協した姑息的な治療ではなく、

「費用対治療効果の高い選択する」

ことだと考えています。

ダイレクトボンディング

今日は外傷の患者さんがいらっしゃいました。

前歯2本が欠けてしまっています。

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・・・・・・治療開始30分後

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なんとか見た目は回復できました

フリーハンドでもこれぐらいはいけます

 

この治療はコンポジットレジンを用いたダイレクトボンディングという方法です

歯を削る範囲が少ないのでファーストチョイスとなりますが

強度的にはやや劣り、審美性はテクニックに依存します

また材料の特性上、経年的な変化も多少出てきます

 

将来的に強度と審美性の問題が出てくれば

ラミネートべニアの可能性もあるかもしれませんね