欠損部治療の選択肢 ブリッジ?インプラント?のその前に!

20代の患者さんで全顎的な治療相談で当院初診

第一大臼歯3本欠損で、欠損スペースに隣在歯が大きく傾斜している状態でした

子供の頃か忘れたが、大きな虫歯で抜歯しそのままになっていたとのこと

本症例に対して、マルチブラケット矯正治療により歯列、咬合、欠損すべての問題を一気に解決する治療計画をたてました

大臼歯のアップライトや右上歯列遠心移動のためアンカースクリューを使用

抜歯は左上4番の残根のみ

歯体移動でのクローズに時間がかかりましたが、動的治療期間30か月で終了しました

傾斜した大臼歯はアップライトされ緊密に咬合しました

クロスバイトが改善し下顎前歯が後方に移動したためスマイルラインも美しくなりました

 

本症例は第一大臼歯の欠損をそのまま放置していたことが矯正治療にとっては幸いし、良い結果につながりました

もしブリッジなどの治療介入が行われていた場合は、歯根の方向がわかりにくい切削された歯となってしまいますし

インプラント治療が行われていた場合は、矯正治療で前歯の並びを治すことがかなり難しい状態になってしまっていたと考えられます

歯を失ってしまった場合は、ブリッジ、インプラント、部分義歯の説明を受ける場合がほとんどだと思いますが

矯正治療の視点からも解決策を診断してみることをお勧めします

かしば歯科では矯正治療、ブリッジ、インプラント、部分義歯すべてを考慮して、症例に対してして最適な治療計画をご提案します

是非一度ご相談ください

部分入れ歯→インプラント

過去の外傷が原因で左下の歯をすべて失ってしまった患者さんです。

部分義歯を使ってはみたものの、違和感のためうどんしかまともに食べられないということでインプラント治療を決断されました。(部分義歯は骨隆除去しないと形態がとれない状態)

脳梗塞の既往があり抗血栓薬を内服中

長時間水平位で治療すると気分が悪くなるという訴えもあるため

インプラント手術は迅速で確実な外科手技が要求されました。

【正面観 術前→術後】


手術は問題なく終了し、上部構造を作製装着しました。

左下の欠損部はインプラント治療により機能的・審美的に改善しました。

なんでも食べれるようになった

すごく調子がいいとのこと

【咬合面観 術前→術後】

4本のインプラントにより左下は完全に回復されました(一部の骨隆起は切除)

ただここまではもはや当院では当然の結果

さらにここから先のメンテナンス性を見据えて、埋入位置から上部構造の設計までこだわっています

これはただのインプラントブリッジではなく、コーヌスタイプの可撤式となっており簡単に外して綺麗にすることができる構造です

この清掃性の良さが、当院のインプラントが問題を起こさず機能し続けることができる大きな要因の一つです。

 

インプラントをしてみたいけど、どれだけ持つのか不安という方

年齢や持病があり手術が大丈夫なんだろうかと不安な方

是非かしば歯科にご相談ください

 

フルマウスインプラントブリッジ

「歯がグラグラでダメそう。全部綺麗に治したいが、入れ歯は嫌。」

という患者さんです。

重度の歯周病で歯の著しい動揺と排膿が認められました。

 

グラグラの歯を抜歯し、膿の原因である炎症組織を取り除きました。

黒い部分が歯肉縁下歯石と呼ばれる細菌の塊で、これが原因で膿が出て歯周病が進行してしまったのです。

 

抜歯すると同時に入れ歯(総義歯)を装着し、とりあえずの見た目と機能を確保しました。

入れ歯で不満がない場合は一旦はこのままでOKですが、入れ歯の致命的な欠点は、使えば使うほど歯茎と骨を消耗してしまうということです。(生物学的代償)

最初は安定していた入れ歯も、歯茎と骨が消耗すると次第に安定を確保するのが難しい症例となってしまいます。

じゃあその時点でインプラントにしたいとなっても、すでに入れ歯の使用で骨が消耗しているため、インプラントも難しいケースとなってしまいます。

 

こちらの患者さんは最初から入れ歯は嫌との希望がありましたので、治療期間中のみ義歯で我慢していただき、義歯使用による骨の消耗が起きる前にインプラントを埋入しました。

見えているチタンキャップの下にインプラントが埋入されています。

治療期間中はこの上から義歯を使用しました。

 

インプラントが骨と結合したら、チタンキャップを外し土台(アバットメント)を装着します。

 

そしてこの上にセラミックの上部構造を装着しました。

これで歯茎や骨を消耗することなく、しっかりと咬むことができます。

 

上顎の咬む面から見た状態です。

最初はこんな状態でしたが

インプラントを埋入して

その上に上部構造を装着しました。

入れ歯のように偽の歯茎に覆われておらず、味も温度も感じることができます。

 (参考) 総入れ歯

 

 

下顎も同様に

前歯しか無い状態から

インプラントを埋入して

その上に上部構造を装着しました。

入れ歯のように外れる心配は無くしっかりと咬めますし、メンテナンス時は上部構造を取り外して綺麗に清掃することができます。

 

 

治療前→入れ歯→インプラントの見え方の違いです。


治療前

 

入れ歯の状態

 

インプラント上部構造

 

入れ歯のようにピンク色の偽の歯茎部分がある方が、歯の縦横比は綺麗に見えます。

一方ピンクの部分が見えると入れ歯っぽくて嫌という患者さんが少なくありません。

本症例のインプラント上部構造は患者さんの希望により、ピンクの部分を最小限にして、大部分を白い歯の部分で仕上げました。

 

 

 

最後に本症例のようなインプラントの本数が多いケースでは、清掃や点検が容易な構造を有することが長期の安定には必要です。

残念ながら現在一般的に行われているインプラント治療の中には、メンテンス性が無視された、非常に不衛生で生体為害性の高い構造が散見されます。

そのよう構造の場合、最初は良くてもやがて慢性的な腐敗臭や排膿などのトラブルが発生し、数年後にはインプラントがダメになってしまいます。

 

かしば歯科ではそのような時限爆弾のようなインプラント構造がまかり通ることを良しとせず、メンテナンス性の高いインプラント構造の研究に取り組んできました。

本症例にもメンテナンス性の高い構造が採用されています。

どのような構造が良くてどのような構造が悪いかは、インプラントご希望の患者さんには詳しくご説明いたします。

 

長持ちするインプラント治療を受けたいとお考えの方は、是非一度かしば歯科にご相談いただければと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

下顎両側567欠損

奥歯が無くなると前歯が強く当たり始め、グラグラして出っ歯になりやがて抜け落ちてしまいます。

本症例はインプラント治療により奥歯の回復を行いました。

 

上部構造作製 作業模型

 

横から見ると欠損部位にインプラントが入り、咬むことができるようになった様子がよく分かります。

 

左側も同様に良く咬めるようになりました。

これで臼歯部の垂直的咬合支持が回復され、上顎前歯が突き上げられることが無くなりました。

下顎567欠損

臨床的に非常に良く遭遇する欠損形態であり、咬合崩壊の入り口でもあります。

どこか歯が無くなると、その分他の歯の負担が増えてやがて順番にダメになってしまいます。

そのような咬合崩壊を阻止する唯一の治療方法がインプラントとなります。

下顎567欠損部にしっかりとインプラントが入りました。

これで他の歯の過重負担は解消されました。

横から見た状態です。

咬めるようになるのはもちろんのこと、見た目も綺麗に回復することができました。

歯が次々とダメになるのを早めに食い止めたい方は、是非かしば歯科のインプラント外来でご相談ください。