うがい薬で歯磨きするのは危険!!歯が溶ける⁉

診療が多忙で、症例をアップするのはサボっておりましたが久しぶりに

みなさん酸で歯が溶けるのはご存じでしょうか?

上の図でいうと炭酸水あたりから左は歯が溶けるということになります

ただ炭酸水の中にちゃぽんと歯を浸漬したままにすると、どんどん溶けていきますが

実際は口の中に酸性の飲料が入ると一時的に歯の表層は溶けますが、唾液の緩衝作用によって徐々に中性に戻っていき、さらに唾液の再石灰化作用で修復されますので、そこまで神経質になる必要はありません。

 

ここまでは一度聞いたことがあるようなよくある話ですね

 

では本題のうがい薬について

みなさん大好きリステリン

測定結果はPh4.4

実はそれなりに酸性なんですよ

(・д・)ぇ?それって歯が溶けるってことですよね

 

リステリンだけではありません

多くのうがい薬は酸性なんです!

 

なぜわざわざ歯が溶ける酸性なのかというと

殺菌成分として酸性のものを配合している商品であると理解して良いです。

 

正しく適度に使えば爽快感もあり、多少の有効性はあると思いますが

 

問題なのはうがい薬を含んで歯磨きしている人です!!

酸性のうがい薬は一時的に歯の表層を溶かして軟化させます。

そこに歯ブラシの機械的刺激が加わると、歯が削れていってしまうんです!

 

よかれと思ってそれやっている人、即中止してくださいね。

うがい薬を使うなら歯ブラシで汚れを取り除いた後にしてください。

 

ご自身がお使いのうがい薬、酸性なのかどうか不安で確かめたい方はご持参いただければ測定します。

またお口の中を検査して、その方に適したうがい薬の選択・使用方法ついてもアドバイスいたしますので、気になる方は是非ご相談ください。

 

ってか酸性じゃないうがい薬ってないの?

と疑問に思った方のために

ドラッグストアにあるもの全部調べたわけではないですが、例えば下記の商品はエナメル質の臨界Phよりは高く、中性に近い結果が出ました

 

また酸性に傾いた口の中の環境を中性に戻すという考え方でアルカリ性のうがい薬も存在します。    

 

以上ご参考までに

前歯部ダイレクトボンディング 離開の閉鎖

前歯の間に隙間があるのが気になるという患者さんです。

当院のホームページを見て、前歯をダイレクトボンディングで治療したいという希望で来院されました。

ダイレクトボンディング 術前
ダイレクトボンディング術後
ダイレクトボンディング 術後

 

ダイレクトボンディングとは白い樹脂(コンポジットレジン)を直接歯に接着する治療方法です。

即日治療が完了し歯の負担も少ないのが利点ですが、審美性や耐久性がテクニックに大きく依存するやや難易度の高い治療方法です。

審美を目的とする治療(虫歯ではないのに治療を行う)は保険では認められておりませんが、その分保険適応外の審美性に優れるコンポジットレジンを使用することができます。

この症例も歯を一切削ることなく審美性の高いコンポジットレジンを用いて仕上げました。

自分の歯がダイレクトボンディングの適応か知りたい方は、お気軽にご相談いただければと思います。

 

 

【注意点】

歯の隙間を閉じたい場合、本来は矯正治療以外適応するべきではありません。

矯正治療の場合、下記の症例のようにご自分の歯の形はそのままで歯を移動させて隙間を閉じます。

矯正治療 術前

 

矯正治療 術後

矯正の器具の見た目が気になる場合は、見えない矯正装置を選択することもできます。(裏側矯正、クリアマウスピース矯正など)

どうしても矯正治療ではなく、すぐに結果がほしいという強い希望があった場合にのみ歯を移動させる矯正治療ではなく、歯の形を変えて隙間を閉じる方法を検討します。

歯の形を変える方法はダイレクトボンディングの他にラミネートベニアとセラミッククラウンがありますが、最も歯の負担が少ないのがダイレクトボンディングとなります。

当院では歯の形を変える場合には、充分にデメリットを理解していただいた上で選択していただいております。

 

フルマウスインプラントブリッジ

「歯がグラグラでダメそう。全部綺麗に治したいが、入れ歯は嫌。」

という患者さんです。

重度の歯周病で歯の著しい動揺と排膿が認められました。

 

グラグラの歯を抜歯し、膿の原因である炎症組織を取り除きました。

黒い部分が歯肉縁下歯石と呼ばれる細菌の塊で、これが原因で膿が出て歯周病が進行してしまったのです。

 

抜歯すると同時に入れ歯(総義歯)を装着し、とりあえずの見た目と機能を確保しました。

入れ歯で不満がない場合は一旦はこのままでOKですが、入れ歯の致命的な欠点は、使えば使うほど歯茎と骨を消耗してしまうということです。(生物学的代償)

最初は安定していた入れ歯も、歯茎と骨が消耗すると次第に安定を確保するのが難しい症例となってしまいます。

じゃあその時点でインプラントにしたいとなっても、すでに入れ歯の使用で骨が消耗しているため、インプラントも難しいケースとなってしまいます。

 

こちらの患者さんは最初から入れ歯は嫌との希望がありましたので、治療期間中のみ義歯で我慢していただき、義歯使用による骨の消耗が起きる前にインプラントを埋入しました。

見えているチタンキャップの下にインプラントが埋入されています。

治療期間中はこの上から義歯を使用しました。

 

インプラントが骨と結合したら、チタンキャップを外し土台(アバットメント)を装着します。

 

そしてこの上にセラミックの上部構造を装着しました。

これで歯茎や骨を消耗することなく、しっかりと咬むことができます。

 

上顎の咬む面から見た状態です。

最初はこんな状態でしたが

インプラントを埋入して

その上に上部構造を装着しました。

入れ歯のように偽の歯茎に覆われておらず、味も温度も感じることができます。

 (参考) 総入れ歯

 

 

下顎も同様に

前歯しか無い状態から

インプラントを埋入して

その上に上部構造を装着しました。

入れ歯のように外れる心配は無くしっかりと咬めますし、メンテナンス時は上部構造を取り外して綺麗に清掃することができます。

 

 

治療前→入れ歯→インプラントの見え方の違いです。


治療前

 

入れ歯の状態

 

インプラント上部構造

 

入れ歯のようにピンク色の偽の歯茎部分がある方が、歯の縦横比は綺麗に見えます。

一方ピンクの部分が見えると入れ歯っぽくて嫌という患者さんが少なくありません。

本症例のインプラント上部構造は患者さんの希望により、ピンクの部分を最小限にして、大部分を白い歯の部分で仕上げました。

 

 

 

最後に本症例のようなインプラントの本数が多いケースでは、清掃や点検が容易な構造を有することが長期の安定には必要です。

残念ながら現在一般的に行われているインプラント治療の中には、メンテンス性が無視された、非常に不衛生で生体為害性の高い構造が散見されます。

そのよう構造の場合、最初は良くてもやがて慢性的な腐敗臭や排膿などのトラブルが発生し、数年後にはインプラントがダメになってしまいます。

 

かしば歯科ではそのような時限爆弾のようなインプラント構造がまかり通ることを良しとせず、メンテナンス性の高いインプラント構造の研究に取り組んできました。

本症例にもメンテナンス性の高い構造が採用されています。

どのような構造が良くてどのような構造が悪いかは、インプラントご希望の患者さんには詳しくご説明いたします。

 

長持ちするインプラント治療を受けたいとお考えの方は、是非一度かしば歯科にご相談いただければと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

反対咬合の矯正治療

反対咬合(受け口)の患者さんです。

歯列矯正と骨格の成長誘導より受け口特有の側貌が改善しました。

 

正面からの術前術後

反対咬合が改善し、並びも綺麗に整っています

 

 

右側面観の術前術後

classⅢという反対咬合のかみ合わせから、classⅠという理想的な位置に改善しました。

 

 

左側面観の術前術後

左側もclassⅢからclassⅠに改善しました。

フルマウスリコンストラクション

全部綺麗に治したいという患者さんです。

 

上顎は欠損部や銀歯をジルコニアセラミックにて治療しました。


 

下顎も銀歯や摩耗した歯をジルコニアセラミックにて治療しました。

一般的に審美治療は歯を大きく削って白くて綺麗なかぶせ物をしてしまえば簡単に目的は達成されます。しかし大きく削ると歯の強度が低下し寿命が短くなってしまいます。

いかに必要最小限の歯牙切削量で美しく機能的に仕上げるかが技術の見せ所となります。

本症例では最小限の支台歯形成により、治療の為に神経をとった歯は1本もありません。(歯を削る量が多いと冷たい物がしみて痛くなるので神経をとらなきゃダメになる)

神経をとっていない支台歯は歯根破折により抜歯となることはほとんどありません。

必要な切削量が得られているかをプロビジョナルレストレーションで入念に確認しファイナルに移行しました。


この白いジルコニアセラミックは昔の材料のように欠けたり割れたりすることはまずありません。

硬いセラミックに覆われたことにより歯の摩耗は食い止められ、適切な咬合様式が与えられたことにより力を全体で受け止め分散することができるようになりました。

 

白くしたいけど歯を削るのが不安という方、また過去の経験から折角綺麗なセラミックを入れても欠けてダメになりはしないだろうかと不安な方はお気軽にご相談下さい。

最善の解決策をご提案します。